第3回和温療法学会学術集会
第3回和温療法学会学術集会
会長 宮田 昌明
鹿児島大学 医学部 保健学科 教授
この度、第3回和温療法学会学術集会の会長を拝命し、2024年11月10日(日)に「かごしま国際交流センター」(鹿児島市加治屋町)で開催させて頂くこととなり、事務局一同、鋭意準備しています。
和温療法学会は、和温療法学の研究推進とその効果の臨床的普及を図り、これを通じて治療医学全般の発展と国民の福祉向上に寄与することを目的として設立されました。深部体温を1℃上昇させ、血流増加による血管機能を改善させる和温療法は、国民の健康寿命の延伸に繋がる治療法と考えます。超高齢社会において、治す医療から寄り添い、介護・看護、看取る医療にシフトしていますが、非薬物的・非侵襲的治療法である和温療法は、運動のできない高齢者などに特に有用と期待されます。
これまで和温療法について研究し、発信している効果は、良くなったと言われた患者さんの体験から研究が始まっており、本学会のテーマは、「病者を師と為す和温療法:多面的効果の原点」としました。我々は、和温療法が心不全、末梢動脈疾患、慢性閉塞性肺疾患、慢性疲労症候群、軽症うつなどに有用であることを鹿児島から発信しており、ここ鹿児島で学会を開催できることは光栄なことと存じます。本学会では、これらの研究をされた先生方に発表して頂きます。特に、心療内科の分野で和温療法の研究をされている増田彰則先生、和温療法の基礎研究をリードされてきた池田義之先生、心不全に対する研究を長年実施されてきた窪薗琢郎先生にご講演頂く予定です。また、「鄭先生が答える今さら聞けない和温療法への疑問」というセッションを設けました。些細なことでも構いませんので皆様の疑問を鄭先生に質問し、解決して頂ければと思います。会長講演では、これまでの和温療法の研究を踏まえ、未解決の課題などについてお話しして、これからの先生方の研究や診療の一助になればと考えています。
医療の現場では、多職種連携が行われ、医療の専門化や多様化に対応していますが、本学会員は多方面の領域の医師のみならず、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士など多職種が連携して和温療法に取り組んでおり、本学術集会が多職種からなる学会員の学修や情報交換の場となることを願っています。一般演題にも多くの演題を登録くださいますよう、宜しくお願いします。
最後に、鹿児島へお越し頂き、対面での情報交換は勿論のこと、鹿児島の食、歴史、自然もご堪能頂ければと思います。特に、会場のかごしま国際交流センターは天文館にも近いですが、西郷隆盛や大久保利通の生誕地や維新ふるさと館と同じ加治屋町に位置し、これらの史跡などを徒歩で訪れることも出来ます。皆様の学会へのご参加をお願い申し上げます。